株主優待を頂くのは株取引の大きな魅力の1つです。楽天証券のつなぎ売りモードを活用すれば、取引価格での損を最低限に抑えながら、簡単に優待をゲットすることができます。
はじめに
現物買いと空売りを併用した「つなぎ売り」という方法を利用すれば、優待をゲットしつつ、株価下落の影響を最小限にとどめることができます。
楽天証券では、株主優待用ページが充実しており、つなぎ売りしたいユーザー用画面が用意されています。つなぎ売り画面では、権利付き最終日や制度・一般売り株の有無、最低購入価格等が一目でわかるように工夫されていて、大変使いやすいです。
信用取引の入り口として、この「つなぎ売り」を勉強してみたいと思います。なお、信用取引には、専用口座開設審査と保証金が必要です。
株主優待制度とは
株主優待制度とは、ある決められた期日に株を保有していると、その保有量によって会社から特例品を受け取ることができる制度です。優待制度の有無や特例品の内容は、株式会社によって異なります。
各種色々な株主優待は大変魅力的でお得な制度ですが、優待のみを狙う他の人も大勢いますから、優待保有権利が確定する権利付最終日の翌営業日である権利落ち日にはサッサと売り払ってしまって、大抵の場合株価は下落します。人気優待商品ほどこの傾向は強いです。
信用取引に近づかなかった理由
「買いは家まで売りは命まで」
上記は投資界隈での有名な格言の一つで、投資の勉強を始めた際にすぐに目にして、何となく”信用取引は怖いなー”と言うイメージが付きまとっていました。実際、信用取引では支払金額以上の損(レバレッジ3倍強)をすることがあり、下落では価値0までですが、上昇の上限は無いことから、信用売りに失敗すると青天井に被害が拡大する、ことを指しています。
空売りの概要
仕組
空売りの仕組みは下記のイメージです。
- 証券会社から100株を借りる。
- 借りると同時に、その100株を売却し1000円受け取る。
- 株価が500円に下がった時点で先の1000円使って100株を買い戻し、500円のお釣りを取得する。
- 借りた100株を証券会社に返却し、500円が手元に残る。
一般信用取引と特例信用取引
信用取引には、一般信用取引と制度信用取引という用語が出てきます。
- 一般信用取引
証券会社が保有している株券量の範囲で貸してくれる取引。貸株料がかかる。 - 制度信用取引
証券会社が更に別の金融機関から株券を調達して貸してくれる取引。貸株料の他に、逆日歩と呼ばれるコストが発生する場合がある。
楽天証券における手数料は、現物手数料および信用取引手数料で確認することができます。
借りる株がある限りは、一般信用取引を選択しておけばいいと理解しています。
逆日歩とは
制度信用取引における、金融機関の株が不足してくると、金融機関は更に機関投資家から株を調達し始めます。機関投資家から株を借用する際に発生する、1日当たりのコストを逆日歩と言います。
貸株料含め、土日祝日もカウント対象なので、期間が想定より長くならないように注意が必要です。
つなぎ売りとは
つなぎ売りのやり方は、下記の通りです。
- 権利付最終日までに、現物買いを行う。
- 現物約定後、現物取引と同じ株数・株価で”短期取引”として空売りする。
- 権利付最終日の翌営業日以降に、現物を”現渡”で空売りを解消する。
上記により、権利落ち日で現物の株価は下落し損が出ますが、その下落分により空売りに利益が出るので、資金は相殺されて、優待が手に残るといった仕組みです。ただし、処々に発生する手数料は引いて考えなければいけません。あと、配当は現物と空売りに相殺されて、もらうことはできません。
楽天証券での操作
買いたい優待銘柄を探す
まずは、購入したい優待がある銘柄を検索します。諸経費を考慮して、株主優待の利益が上回ることがポイントです。
楽天証券にログインして、メニューの[国内株式] > [株主優待] > [つなぎ売りモード]をクリックします。
ここで、銘柄名・権利付き最終日・信用売り株残・配当利回り・最低購入金額等を参考にしながら、ほしい優待を検討します。
売り・買いも、この画面の右側のボタン([現物買い]/[信用売建])を利用すれば、間違えることはありません。
現物買いを実施する
権利付き最終日までに、株主優待が欲しい銘柄を現物買いします。
注文は、銘柄を検討した画面の[現物買い]ボタンをクリックして、画面を遷移します。
現物買いでは、数量・指値/成行・執行条件・セット注文(予約しない)等を設定します。
空売りを実施する
現物取引約定後、現物取引と同じ株数・株価で信用取引(新規売建注文)を行います。
注文は、銘柄を検討した画面の[信用売建]ボタンをクリックして進みます。
売建・(できれば)一般信用取引・数量・指値等を指定します。
取引を簡易的に実施する場合、証券取引営業時間外に現物買い・空売りを同時に成行で注文しておけば、翌営業日の9:00以降に同時に大体約定します。
現渡を実施する
権利付き最終日の翌営業日以降に、”現渡“を実行して保有している株をすべて手放します。
これで、つなぎ売り手続きは完了します。
まとめ
最後に留意点を記載しておきます。
- 一般信用取引が望ましいが、銘柄や数量が限定的で、特例取引に比べてこちらから取引不可(×)状態になっていく。
- 貸株料を抑えたいので、できる限り権利確定日近くで約定したいが、取引不可になる確率も高くなる。
- これらを考慮しつつ、銘柄を物色するのも楽しみの一つである。
ライバルも多い優待争奪戦ですが、つなぎ売りを活用すれば、楽しくお得に株主優待を手にすることができます。
以上、楽天証券でのつなぎ売り方法の紹介でした。
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