2022年2月16日から確定申告が始まります。今年は株取引分の申告もするので、今のうちに必要な知識をつけておきたいと思います。
はじめに
確定申告の季節が近づいてきました。年々e-Taxの利便性が向上し申告しやすくなっています。毎年医療費控除やふるさと納税分は申告していたのですが、今年は株取引分も申告するので前もって準備として必要な情報を集めておきます。
今回記載するのは下記2点の内、私が関係しそうな事項です。資産運用取引の全てではありません。
- 株取引関連の申告知識
- e-Tax申告時の必要事項
株取引関連の申告知識
損益通算できる商品グループが異なる
複数の金融商品に投資していて、利益および損が別々に発生しても、下記に示すA・Bグループごとに損益を合算することができます。損益通算で課税対象の利益分を相殺すれば、節税になります。
なお、下記表に入れていませんが、仮想通貨の損益はCグループの雑所得・総合課税に分類されます。来年用に念のため。
グループ | 課税種類 | 所得種類 | 投資種類 | 商品名 | 手段 |
A | 申告分離課税 | 譲渡所得 | 株式 | 日本株(現物) | 売却益 |
信用取引 | 売却益 | ||||
配当調整金 | |||||
外国株 | 売却益 | ||||
投資信託 | 株式投資信託 | 償還解約益 | |||
売却益 | |||||
源泉分離課税 | 配当所得 | 株式 | 日本株(現物) | 配当 | |
外国株 | 配当 | ||||
投資信託 | 株式投資信託 | 分配金 | |||
B | 申告分離課税 | 雑所得 | 外貨投資 | 取引所FX | スワップポイント |
為替差益 | |||||
CFD | 決済益 | ||||
金利調整額 | |||||
価格調整額 | |||||
権利調整額 | |||||
先物 | 商品先物 | 決済益 | |||
日経225先物 | 決済益 |
確定損は申告で節税できる可能性
株取引で損を出した場合、源泉徴収あり特定口座や配当金も申告対象にすることで、源泉徴収された20%の税金を取り戻せる可能性があります。
また、3年間欠かさず繰越しを申告することで、この期間内は利益と相殺できます。
米国株配当金の二重課税分を取り戻す
外国株の配当金は、日本と外国のルールに定める一定の税率を二重課税されている場合があります。
二重課税の自動調整を行うのは国内投信や東証上場ETFのみです。米国上場の銘柄は自動調整対象外なので、諸外国株(中国など含む)の配当金は申告しないと損です。
売買益に対する二重課税はありません。
また、NISA枠所有の外国株は申告対象外です。
e-Tax申告時の必要事項
令和3年時の機能更新
- スマホ併用によるPC利用時のカードリーダー不要
- スマホで株や投資信託の申告可能(CFD等雑所得扱い分除く)
- スマホでふるさと納税証明書や源泉徴収票のカメラ読み取りによる自動入力
自分が申告する条件を一覧化
自分自身の株取引状況をまとめてみました。
- 特定口座(源泉徴収あり・なし)の複数口座を持っている
- 日本株・外国株の配当金がある
- CFDを利用している
- 繰り越し損益はない
e-Taxでの入り口
まずは、令和3年分の所得税を選択します。
また、数画面先で、給与以外での収入に対して、「はい」を選択します。
申告内容別入力欄一覧
必要な金額入力欄は、以下の通りです。
投資状況 | 入力が必要な項目 | |
分離課税の所得 | 株や投資信託で損益がある場合 | 株式等の譲渡所得等 |
株の配当や投資信託の分配金がある場合 | 上場株式等に係る配当所得等 | |
CFD・FX等で損益がある場合 | 先物取引に係る雑所得等 | |
税額控除 | 外国株(米国、中国等)の配当がある場合 | 外国税額控除等 |
証券会社別に登録
株式等の譲渡所得の入力は、「申告分離課税」を選択し、「特定口座年間取引広告書の内容を入力する」をクリックします。
あとは、次の画面で証券会社ごとに登録していけばOKです。
日本株配当金申告
配当金の申告は、「申告分離課税」を選択し、「配当等の支払通知書などの内容を入力する」をクリックします。
配当金の分だけ、支払通知書にある内容を転記すればOKです。
CFD等の申告
CFD・FX・先物等の申告では、下記の様に入力します。
項目 | 入力内容 |
所得区分 | 雑所得用 |
種類 | 取引所株価指数証拠金取引や外国為替証拠金取引、など |
決済の方法 | 仕切 |
収入欄 | 年間取引報告書記載の実現損益 |
外国株配当金申告
外国株配当金申告は、特定口座ごとに国別で1枠を使用する形で、下記を入力していきます。
項目 | 入力内容 |
所得の種類 | 配当 |
税種目 | 源泉所得税 |
源泉・申告の区分 | 源泉 |
所得の計算期間 | 令和3/1/1~12/31 |
納付確定日・納付日 | 令和3/12/31 |
相手国での課税標準 | 年間取引報告書の「配当交付状況」の配当額 |
左に係る外国所得税額 | 年間取引報告書の「配当交付状況」の外国所得税額 |
調整国外所得の計算 | 相手国での課税標準欄の合計 |
政令都市の該当 | はい または いいえ |
まとめ
初めは不安でしたが、これだけ情報があれば何とか申告できそうです。おそらくe-Taxも年々改良されて使いやすくなっているのでしょう。
来年の損益繰り越しにも使えるように、しっかりと申告しておきたいと思います。と、いうことは…
以上、確定申告2022の株取引申告ポイントの紹介でした。
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